まっしろなぬけがら

泥の上に咲いた小さな花

害虫の夢

害虫を殺せ 害虫を排除しろ 害虫を見下せ
害無き奴らは笑ってる
農薬まみれの害虫は夢見ることさえ忘れた
僕は害虫を殺すことでしか自分を保てないんだ
農薬を撒き散らすことを辞めたら自分が害虫になるからね

害虫を殺せ 害虫を排除しろ 害虫を見下せ
害無き奴らは笑ってる
農薬まみれの害虫は笑うことさえ忘れた
僕は奴らみたいになるくらいなら農薬を吸い続ける
いつか僕の精液を奴らに飲ませてやるんだ
害は無いだろ

害虫を殺せ 害虫を排除しろ 害虫を見下せ
害無き奴らは笑ってる
農薬まみれの害虫は物語の続きを思い出す
害虫にしか歌えない死にぞこないのパンクロック
眩しいくらい無防備で真っ直ぐな物語

フロアには人もまばら...

SERGEY KURYOKHIN『SPARROW ORATORIUM』

玄関先にスズメさんが死んでいた。うわっと思った。通り過ぎてタバコを吸った。タバコを吸いながらスズメさんあそこで死んだのは自分のせいなんじゃないかという思いが少し頭をよぎった。あのままあそこに置いておいたらあそこで腐ってしまう。そんなの見たくないという思いと、あぁスズメさん...という思いが同時に生まれた。

 

埋めてやろうと思った。自分に酔ってるんじゃないかとも思ったけど否定した。使い古しのタオルにスズメさんを包んでいつも行ってる畑に自転車で向かった。タオルで包んだスズメさんはまだ少し温かかった。まだ生きてたら生き埋めだとも思ったけど足がピンと伸びてまったく動かなかったからあのままあそこに置いててもしょうがないと思って畑に向かった。

 

ゴンさんが埋まってる所に石で穴を掘った。夜の畑は不気味で怖かった。タオルに包んだスズメさんを掘った穴に埋めて土をかけた。少し後ろに下がってスズメさんのことを祈った。...スズメさんがあそこで死んだのは僕の罪のせいだとは思わなかったけど、たぶんたぶん...こうしてブログでネタにしたこと。それがなによりの罪だ。


  ロシアのSERGEY KURYOKHINという人のアルバムに『SPARROW ORATORIUM “FOUR SEASONS” BY SERGEY KURYOKHIN ST.PETERSBURG / ENERGY FOR BETTER ENVIRONMENT』(『スズメの聖譚曲 ~より良い環境のために』)という作品がある。このCDだけは手放さないで持っていた。

 

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イキすぎだ!ヤりすぎだ!スピードを落とせ!
オレは神だとガナりたて強化ガラスにダイブする
オレがヤらなきゃ誰がヤる!断崖絶壁から飛び降りろ!
今日も懲りずにデストロイ!日常なんてクソ食らえ!

カギを閉めろ!拘束しろ!ヤクを射て!
ブロンの瓶を放り投げ走る車からダイブする
オレしかイケないあの場所に!ロックの神と心中だ!
限界なんてねぇと暴走し革命夢見て檻の中

イキすぎだ!ヤりすぎだ!スピードを落とせ!
カギを閉めろ!拘束しろ!ヤクを射て






こんなふうに僕は無知で浅はかで幼くて自惚れていて勘違いしている人として恥ずかしい奴だった。でも僕があの頃見ていた世界は今よりもずっと熱かった。大人になったのか学んだのか老いたのかダメになったのかわからない。またあの頃と同じことをやろうなんてもちろんできないしやろうとも思わない。ただ僕があの頃見ていた地平線の先に今があること。それは今からでもあの頃とは違ったやり方で熱を帯びることができるということ。

ロックンロール・インポ

勃たないんだ   感じないんだ   イカないんだ

君は昔のように僕の上に乗って揺れてくれない
あのそそり勃った僕の想いは幻想だったのか?

たかがロックンロール
それでもロックンロール

限界なんてないと思ってた
君とのあの日の夜は魔法だった

僕が君に飽きたのか?
君が僕に飽きたのか?

たかがロックンロール
それでもロックンロール

あの日僕は君と心中する覚悟さえした
どんなに屈折した変態の僕でも
君は受け止めてくれたよね

君とはもうやり尽くしたのか
君が目の前に居るのに…

勃たないんだ  感じないんだ  イカないんだ


僕は今でも何かを期待して君に触る
勃たなくても  感じなくても  イカなくても
君と僕は誰よりも変態だから

たかがロックンロール
それでもロックンロール

だからロックンロール

まっしろなぬけがら

全てを感じるために
ケツの穴に頭だって入れた

何も感じたくなかったから
強化ガラスにダイブした

クソを食いながら神にも会ったけど
彼はなにもしてくれなかった

澱んだ空気  荒んだ想い  化膿する痛み
消えない傷は白い光の中

まっしろなぬけがら
ぼくは生まれた


たったひとつの幸せを取り戻すために
君の気を惹くのをやめた

痛みを感じないドMだったから
君のためには楽しまない

君に褒められようと貶されようと
僕は好きにする

ふるえる空気  流れ出した風  降り注ぐ光
生まれた想いは大きな空へ

泥の上に咲いた
ちいさな花

さかな

死んださかなが腐っていく
冷たいところに沈んでいく
まっくらなところに消えていく
誰もいないところで忘れられていく

ちいさな花が咲いている
コンクリートの上で無理してる
傷つきたくないから隠れてる
光も水もないからしおれてる

あたたかい風が吹いていた
土の中で信じてみた
まっくらだったから芽を出した
ただそこにある光に包まれた

死んださかなが行くところ
あたたかい風が吹いていた
ちいさな花が咲くところ
今そこにある光に包まれた

痙攣

棘が 傷が

交差する

突き刺さる

傷みが痙攣し

棘が 傷が

苦痛に変わる

嘔吐 痙攣 悪臭

脚が 意識が 痺れが

一瞬で消えて

脚が折れて

意識が消えて

痺れが

痛みが

一瞬で

穏やかな 暖かい

風の匂いと

澄んだ川の流れが

透明で

キラキラ光る

穏やかで

優しい

土の匂い

風の色

大きな木

虫の声

虫には好かれてる

光と風

すやすや眠る

誰もいない

星を見ている

ずっと見ている

ずっとずっと見ている

どうして

こんなことを

しているのか

ずっとずっと

今にも

この瞬間

一瞬で

ずっとずっと

ずっとずっと


消えて

無くなる